2013/04/24

普段携帯もまともに持ち歩いていない。ましてやデジカメなど持ち歩くわけもなく、出かけても写真を撮ってきてここに載せたりできない。文章だけで記事を書こうとするとやけにまじめな記事になって面白くもなんとも無いし、途中まで書いてやっぱり消してということが多い。
今日も1度30行ほどの記事を書いたのだが、結局消してしまった。

今日カタルーニャはSant Jordi祭だった。伝統的に男性が女性にバラを贈り、女性が男性に本を贈る。「美しいが頭の空っぽな女、美しさなど求めないが頭のいい男」という旧態然とした男女観を絵に描いたようなコンセプトなわけだが、近年ではこの男性が女性がというくくりはなくなってきて、とにかく本やバラをプレゼントする日ということになっている。
まあそういうコンセプトは置いておいて、この日は街中にバラか本を売る簡易な屋台が出る。とはいえバラを売っている屋台の方が断然多いので、そこらじゅうバラを売っている人達と、買ったバラなのか贈られたバラなのか、とにかくバラを持って歩く人たちで溢れ返る。街中バラだらけだ。夕方に中心街に出かけたのだが、目抜き通りであるRambla de Catalunyaはあまりの人出にまともに歩くこともできない。
私の実家は狭山市なのだが、七夕祭が有名だ。関東三大七夕祭の1つだと小学校の頃習ったが、仙台と狭山と、後1つが思い出せない。三大祭かどうかはさておき、狭山の七夕祭も物凄い人出になる。商店街の通りの両脇にずらっと屋台が並び、夜になると前も後ろも左右も人で埋まってのろのろのろのろとしか歩けなくなる。屋台から発せられる甘かったり、しょっぱかったりするにおいと、密集した人々の人いきれ、夏の逃げ場の無い湿った空気がごちゃ混ぜになって、そのなかをゆっくりと漕ぎ進んで祭の目抜き通りの端まで到達すると、一息新鮮な空気を吸ってまたその流れを逆に辿りに入っていく。
今日のお祭で久しぶりにそんな日本の七夕祭を思い出した。とはいえ、やはり雰囲気は全く違うのだが。
実はこのSant Jordiのお祭の日にバルセロナの町を歩くのは2回目だった。自分で思っていたより全然少ない。初めて様子を見に行ったのはバルセロナに住み始めて最初の年だった。お祭というと夜までやっているものだとばかり思って、夜中の12時頃にRamblas通りまで行ってみたのだが、このお祭はあまり遅くまではやらない。普段よりもむしろ少ないくらいの人通りの歩道にバラの花びらが所々落ちていている他は、このお祭りがあったことを示すものもなく、がらんとした通りに、ここだけは日本と全く同じ祭の後があった。

2013/04/06

ピアノ

バルセロナだと週末の金曜と土曜は終電が2時までに延長される。よく考えなくても当たり前だ。次の日が休みなのだから、夜遅くまで外に出かけている人は普段より多い。日本だと逆ですね。土日は終電が早く終わる。
終電が遅くなるお陰で昨日は久しぶりに遅くまで人と話すことができた。以前バルセロナに住んでいたときの住まいは、バルセロナの碁盤の目のようになっている地区のすぐ上辺り、グラシアという地区にあるのだが、そこにあるPianos PuigというFazioliのピアノ専門店でコンサートがあった。バルセロナとパリに住んでいる日本人ピアニスト2人によるコンサート。
リンク先の写真の通りとても雰囲気のよい会場で、あいにくの天候でしたがたくさんのお客さんが来ていましたし、終演後お客さんはどの人も満足そうにしていてとても暖かい雰囲気でした:)

演奏会後、グラシア地区にはたくさんBarがあるので、その中の一軒に入り久しぶりに日本語でおしゃべりしました。やっぱり母国語ですらすら話すのは気持ちがいいもので、なんだか長話になってしまいますね。音楽家が5人揃ってまあぺちゃくちゃお喋りしているうちに夜も更け、週末の終電延長のお世話になったというわけです。

ピアノの演奏に触れるのはいつもすごく勉強になります。管楽器や擦弦楽器のような音を保持できる楽器に対して、ピアノのような音を出した後その音に対して物理的に干渉できない楽器の演奏は常に新鮮かつ異質な刺激を与えてくれます。普段、家でもピアノの演奏はよく聴くのですが、久しぶりに直接しかもかなり近距離で演奏を聴く機会を与えてくれた演奏家のお二人に感謝いたします。

2013/04/03

屋上からモンジュイック

我が家はSobre Aticoという階にある。Aticoというのは屋根裏という意味なので、Sobre Aticoというのは屋根裏のさらに上の階という意味だ。日本方式で1階から単純に数字を追っていった方が直感的に分かり易いと思うのだが、スペインにはビルを作るときに高さ制限とともに階数制限というのもあって、階に名前をつけることで数字上の階数を減らしてより多くの階を作るのだという話を聞いたことがある。ちなみに今住んでいる所の場合は0階、Entresuelo、1階~3階、Atico、Sobre Aticoなので、日本方式だと我が家は7階ということになる。エレベーターが無いので登るのはなかなか大変だ。以前ADSLの工事に来たおじさんが我が家まで登ってきた後、地上に降りて配電盤をいじり、また我が家に来て配線をいじり、というのを繰り返さねばならずとてもしんどそうにしていた。ちなみに住居としてはこの建物の中で我が家が最上階で、我が家の天井の上はすでに屋上だ。

何日か前に書斎からティビダボの丘が見えると書いたのだが、気候が大分暖かくなってきたので屋上に出てみた。ティビダボは遠すぎて何がなんだか分からないので反対の海側にあるモンジュイックの丘の写真を撮ってみた。
丘の中腹に見えてる宮殿みたいなのがカタルーニャ美術館
手前に見えてるのがようは近所の町並みなのだが、こうやって上から見ると本当に雑然としている。
でも眺めていて飽きないものだから、洗濯物を干した後とかにぼんやりと窓際に居残ってしまったりする。
大分空気も暖かくなりました。

2013/04/02

読書アプリ

ipod touchを持っている。もう大分古いので電池の持ちが悪くなったり幾分レスポンスが悪くなったりしているのだが、やはり寝る前にベッドに横になりながらネットしたり、コンサートの時に持っていって暇つぶしに使ったりするのにはもってこいだ。

最近「i読書」というアプリを入れた。無料アプリなのだがこのアプリを通して多くの小説をダウンロードしてipod上で読書ができるというわけだ。ダウンロード可能な作品の作者はどれも古いものばかり。どうやら原作者の著作権が既に切れているものということらしい。
早速色々ダウンロードしたのだが、宮澤賢治の作品がダウンロードできるのがとてもありがたい。母が彼の作品を好きで子供の頃から私自身もよく読んだ記憶がある。アニメの銀河鉄道の夜も未だによく覚えている。童話を一通りipodに入れた後、詩集である『春と修羅』をダウンロードした。序が有名な

わたくしといふ現象は
仮定された有機交流電燈の
ひとつの青い照明です

で始まる詩集だ。どのページを開いても色彩に溢れた文章がつづられている。

実は手元にちくま文庫の『春と修羅』がある。が恥ずかしいことに一度も読破したことが無い。というのも、どの詩も美しいのだが一篇ずつ噛み締めないと読んだ意味が無いし、かといってそうやっていると読むのに恐ろしく時間が掛かるからだ。そうこうする内に、他の本に浮気をしていつの間にかそっちばかり読むようになってしまう。また読みたくなったときには、本という手にとることのできる情報媒体の特徴なのか、また初めから始めてしまう。

インターネットが無い時代に生まれた世代だからなのか、今となってはすっかりデジタルな世界に埋没するような生活の中にあっても、ipodで読書というのはどことなくイージーな印象を持ってしまう。

ipodでは文庫本特有の紙の香りを吸い込むことはできないけれども、同じ文章を読んで同じだけ感動できるだろうか。珍しく懐古的な気分になった。

2013/04/01

水タバコと初帰国の思い出

水タバコを初めて試したのは大学のときに科の人たちとトルコ料理を食べに行ったときだった。確か大学3年か4年だったと思う。そのときおいしいなと思って、4年の夏にCamino de Santiagoを歩いた後グラナダでも吸ってやはりおいしかったのでアルハンブラ宮殿に通じる商店街で中位の大きさのを1つ買って日本にもって帰った。今でもその水タバコは実家に置いてある。
水タバコ wiki

この水タバコを日本に持ち込むときに成田で一悶着あったのをよく覚えてる。そのときが初めての海外だったわけで帰国というのも初めての経験だった。税関のところで何か申請しなければいけないものはありませんか、といつものように聞かれるわけだが、逆に「何を申請しなければいけないんですか?」と素直に聞き返した。タバコとかですかね、と言われたので「タバコは無いですけど、水タバコはあります」と素直というか馬鹿正直というか、むしろ馬鹿というか言ってしまったのが運の尽。「水タバコ?何ですかそれは?ちょっと見せてください」と当たり前の展開。スーツケースからタバコというには仰々しい吸引具が出てきたものだから、税関員達の目の色が変わった。
水タバコをスーツケースから引っ張り出し、タバコの葉っぱも出し、一通りしげしげと眺めた後、税関員が放った一言が忘れられない。
「えっと、ここじゃ人目もあるから・・・ あっちの個室へ・・・」
えーっ!もちろん何にもやばいものは出てくるはずないのだけどさすがに動揺。
後はご想像の通りスーツケースの中身を全部精査され、スーツケース自体も調べられ、財布の中身も全部出して・・・となりました。とんだ初帰国の思い出です。

なんで急に思い出したかというと、昨日に引き続き今水タバコを吸っているのです。

2013/03/30

Monastir de Poblet i Montblanc

バルセロナ郊外にあるMonestir de Poblet(ポブレー修道院)とそのすぐ近くのMontblanc(モンブラン)という街に行ってきました。

なんだかどこかに出かけるかもという話は、なんとなく昨日聞いていたのだが、割と早くに叩き起こされさっさと着替えて出かけることに。というわけで何の予備知識も無く出かけたわけなのだが、この記事を書こうと思ってぐぐったら修道院は世界遺産でした。

道中にちょっと休憩したときの写真。すっかり春らしいですね。


入り口。要塞としての機能を持たせてあるように見える。
  

                        回廊。
                           

回廊には張り出した部分がある。
張り出した部分の中には噴水がある。
                      

塔楼。
     

教会内部の写真も取ったのだけど。うまく取れなかったので今回はなし(汗

修道院の後にMontblancという街に行った。この街は城壁が残っていることで有名な街。
こんな城壁で旧市街がぐるっと囲まれている。
中は古い町並みらしく細い路地が入り組んでいます。

久しぶりに一日中歩き回って運動不足を痛感しました。2箇所ともCamino de Santiagoのルート上にあって、道標である黄色い矢印をいくつも見かけました。写真を撮り忘れてしまって残念でした。

Video en youtube

演奏会のライブ録音です。
Una grabación de un concierto.
http://www.youtube.com/watch?v=U9KNvXlNCJA

2013/03/29

Freixenet

そういえば一昨日Freixenetの工場に見学に行ってきた。というのもスペインの国鉄のRenfeとFreixenetが共同で最寄の駅までの往復チケット+工場見学+カバ一杯を合わせて10ユーロで提供しているから。カバ(Cava)というのはスペインのシャンパンのこと。
詳しくはこちら
http://www.freixenet.es/vis-comollegar.asp

ツアーは創立者とその家族を讃えるなんだか要点を得ないビデオから始まり、カバの作り方の説明を受けながら地下の貯蔵庫を歩いていく、というただそれだけなのだが、思いのほか楽しかった。貯蔵庫である日光の届かない肌寒い地下の洞窟を歩きながらCavaの語源がCovaつまり洞窟というの話を聞いてなんだかとてもしっくり来た。

2013/03/28

Tibidabo

Mi casa está en en un sexto piso sin acensor. Claro, no es una buena condición, pero en cambio todas las habitaciones tienen ventanas que dan al exterior. Se ve Monjuïc desde el comedor y el Tibidabo desde el estudio.
Cuando empezé a escribir este articulo corto, el fondo del cielo tenia un color azul oscuro y el Tibidabo se veía de color naranja. En solo unos quinze minut

ティビダボの丘

我が家は日本式で言う7階にある。エレベーターがないので良い条件とはいえないわけだが、スペインの古い住居としては本当に珍しいことに全ての部屋に外に向かって窓がある。居間の窓からはモンジュイックの丘が見えてその隣の寝室からはカタルーニャ美術館の正面が見える。反対側の書斎からはティビダボの丘が見えている。海側の丘と山側の丘が両方見えているわけだ。
ティビダボの頂上には教会が立っていて、この時間になるとオレンジ色にライトアップされて遠くに見える。記事を書こうと思ったのは、なんという理由も無く、日が落ちて暗い群青色になった空を背景にしてティビダボの丘がきれいに見えたからなのだが、こんな短い文章を書いているうちにすっかり空の色が暗くなってしまった。橙色の明かりが丘の上に立っているというよりも、そのまま浮かんでいるように見えなくもない。