2015/04/08

中世ルネサンス

バロック、ルネサンス、中世なんて分類があるけれど、個人的に「中世ルネサンス」という古楽関係者の中でもよく使われる時代の括り方は音楽史において適当でないと思っている。というようなことをあれこれと書こうとこの何日か格闘したのだけど、ちょっとギブアップ。

中世からルネサンスへの移行はつまり西洋史全体の時代区分において中世からルネサンスやバロックを含む「近世」への移行であるわけで、西洋において世界の様相がより激しく変化を遂げた時期はルネサンスからバロックよりも中世からルネサンスのほうであるだろう。そして音楽においてもある2つの時代間にある種の線引きを求めるならば、中世とルネサンスの間には、音楽のコンストラクションにおいて中世とルネサンスという意味以上、つまり中世と「それ以降」という隔絶が存在すると考える。そしてそれはルネサンスとバロックの間に存在するものよりもずっと大きい。

しかし如何せんこの手の議論は文章化するときにカバーする範囲が広域になりすぎるし、それに従ってそれぞれのエレメントに関する掘り下げが目に見えて薄く甘くなる。
こういう試みに含む危険性は例えばパノフスキーが『ゴシック建築とスコラ学』の冒頭で指摘している通りだ。

「(時代を「歴史の区別しうる諸部分」と定義するとき、これらの部分はある種の統一性をもたねばならず、それを実証しようとするなら)芸術、文学、哲学、社会的潮流や政治的潮流、宗教運動、等々のような明らかに異種の諸現象の間に内在する類似性の発見を試みなければならない。(中略)誰でも、敢えて<専門領域を超え>ようとする時にはいつでも、どうしても、不完全な、しかもしばしば二次的な情報にたよらざるをえないものである。」*

この危険をまさに自分が犯そうと四苦八苦していると気がついてギブアップしたわけです(笑
でもこうやって昔読んだ本を思い出したり、調べ物をしてまた何か新し知識を得たり、悪いことは何も無いわけです:)

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全然話は違うけれど、私みたいにそもそも写真も普段余り撮らないような人でも(あるいは逆にだからこそ)、自身の気分が撮る写真に影響するのかどれも同じようなものになる。といいつつもちょこっと貼ります(笑



*ISBN4-480-08660-9, p.7

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